025年度 都市計画学会東北支部 研究発表会
優秀発表賞 受賞者一覧及び受賞理由
【受賞者】
重枝 隆太(東北大学大学院)
【演題】
「都市計画道路の決定及び廃止が市街地形成に与える影響に関する研究-仙台市を事例として-」
【受賞理由】
本研究は、都市拡大期の都市計画道路の決定による市街地形成への直接的・間接的影響と、2000年代以降の見直しによる都計道廃止後の土地利活用上の効果と課題を明らかにし、今後の都計道見直しにおける対応を提言しようとするものである。テーマおよび対象地域(仙台市)の設定が時宜を得ており、分析と論述のプロセスも丁寧であった。枠組み上外されたと思しき論点についての質問にも的確に応答し、総じて優れた研究発表であった。[評者:河村信治(八戸高専)]
【受賞者】
大内 裕太(弘前大学大学院)
【演題】
「地域自治組織の事業展開と役員意識からみる「地域づくり政策」の効果と限界-岩手県北上市内4地区の比較分析を通して-」
【受賞理由】
本研究は、小規模多機能自治を指向して近年各地で設立が進む地域運営組織(RMO)の制度設計と、その運営を担う地域主体の意識および事業展開の実態について、地域特性の類型による4地区の比較分析から持続的な地域づくりに資する知見を得ようとするものである。資料分析とヒアリングによる地道なアプローチが社会的調査の基礎であることを再認識させられる研究発表であった。[評者:河村信治(八戸高専)]
【受賞者】
平田 隼一朗(東北大学大学院)
【演題】
「立地適正化計画における居住誘導区域の変更実態とその背景要因に関する研究」
【受賞理由】
本研究は、居住誘導区域の変更について全国的な調査を実施し、区域変更の内容とその背景要因から立地適正化計画制度とその運用のあり方に示唆を与えている研究である。誘導区域見直しの全体像を捉えているとともに、区域見直しの具体例を即地的に取り上げ分析しており、質疑にも的確に対応していたことから、自らの研究として主体的に取り組んでいると感じられる優れた研究発表であった。[評者:松川寿也(長岡技術科学大学)]
【受賞者】
山崎 嵩悟(山形大学)
【演題】
「街路景観の連続性が印象評価に及ぼす影響-山形市内の商店街を対象として-」
【受賞理由】
山形市の中心商店街街路を対象に、景観要素と心理評価の条件付き関係および街路景観の連続性を分析し、歩行に伴う要素量の変化が印象評価に与える影響を明らかにしようという研究である。因子分析での景観評価において、快適性、統合性、印象性と因子を解釈し、その交互作用や素材等との関係性まで丁寧に分析した。街路景観の評価は単一要素の増減によって決まるのではなく、他要素との組み合わせや街路の空間条件に依存して形成されることを明らかにした、優れた発表内容と評価できる。[評者:古藤浩(東北芸術工科大学)]
【受賞者】
杵淵 樹生(東北大学)
【演題】
「東日本大震災被災地における再建を契機とした寺院運営上の変化とその要因に関する研究」
【受賞理由】
本研究は東日本大震災の被災地における寺院の再建について,再建動向や周辺集落との関係性について調査した研究である。これまで着目されてこなかった・かつ行政支援や都市計画の論点では議論されにくい寺院を対象に,寺院という施設特性を踏まえた上で従前の集落との関係性について論じている点が評価できる。今後の復興まちづくりやランドスケープ施策への発展性が期待できる。[評者:荒木笙子(岩手大学)]
【受賞者】
中川 美生(岩手大学)
【演題】
「酪農と地域との結びつきに関する研究」
【受賞理由】
本研究は、酪農経営と地域社会との関係に着目し、経営規模の異なる酪農家への聞き取り調査等を通じ、酪農と地域との“結びつき”の実態を解明したものである。空間的要因、社会的要因、生産物・流通の要因という複数の視点から関係構造を整理し、酪農の持続的経営のために地域との戦略的関係構築の必要性を提言している。説明やスライドが分かりやすく、質疑への対応も的を射ており、今後の研究の進展が期待される優れた研究発表であった。[評者:土井良浩(弘前大学)]
【受賞者】
丸山 龍仁(東北大学)
【演題】
「まちなか再生計画を契機としたエリアマネジメントの実態と中期的変化に関する研究
−宮城県および岩手県のまちなか再生計画策定自治体を対象として−」
【受賞理由】
本研究は、東日本大震災後に商業集積の再生の重点的な支援を目指し、復興庁によって整備されたまちなか再生計画を策定した9自治体のまち会社を対象に、その活動実態について中期的な視点から分析を試みた研究である。インタビュー調査をもとにエリマネ事業の経年変化の実態を丁寧に分析している点が評価できる。エリマネ事業の今後の展開に寄与することが期待される。[評者:高澤由美(山形大学)]
以上7題